今大会最長の229kmステージを制したのは、今大会3勝目を果たすこととなったフェルナンド・ガヴィリア。
グライペル、ユワンといった強豪スプリンターたちが軒並み集団の中に埋もれていく中、彼だけは、マキシミリアーノ・リケーゼという最高のアシストによって導かれての最適なポジションでスプリントを開始することができた。
彼自身の絶好調ぶりに支えられ、圧倒的な勝利を飾ったガヴィリア。
久々の「右手首キス」を見せたあたりにも、この勝利の余裕さを窺うことができる。
久々の「手首キス」。悔しそうな表情を見せる2位のヤコブ・マレツコ。そして、後方では、アシストのリケーゼがガッツポーズを見せている。
この日の解説の綾野さんによると、これでジロにおけるコロンビア人勝利が15勝目で、イタリア人以外では最多勝利数(20勝)のオーストラリア人に次ぐ2番目だという。
昨年のグライペルとも並ぶ3勝目。これでグランツール初出場なのだから驚きだ。彼の年齢は22歳。そういったデータすべてが、サガンと並ぶ。
(そういえばサガンのあのときの3勝も、ベンナーティを始めとするアシストたちの力あってのものだった)
ガヴィリアはこの日もポイント賞獲得に積極的だった。
このまま、ミラノの表彰台ではマリア・チクラミーノを着て立つことになるだろう。
一方のユワンはどうしたのか。
アシストが力不足・・・というわけではないように思う。今日のステージも、先頭集団の中にルカ・メスゲッツとアダム・イェーツの2人はいた。メスゲッツはゴール前、何度も振り返っていた。牽引すべきエースを探していたのだろうか。2人のあとに集団は少し千切れており、結果、先頭ガヴィリアから6秒遅れの集団の後ろの方に、ユワンの姿はあった(82位)。
ここ最近、そういう姿ばかりを見る気がする。ゴール前で集団の中に飲み込まれ、前の方が出ることのできない姿。調子が悪いのか。あるいは3週間のレースにまだ順応できていないのか。昨年も一昨年も、今くらいの時期にグランツールをリタイアしている。
ガヴィリアは「ジロのベストはグライペルだ。その彼に3勝できて嬉しい」というようなことをインタビューで語っていたようだ。
現状の彼にとって、ユワンはライバルではない、という意味に捉えるのは穿った見方過ぎるとは思うが、しかし悲しいものだ。
なんとかして復権しなければならない。この後のユワンの復活に期待する。
ちなみにこの日、もう一人のヒーローがオマール・フライレだ。
昨日の健闘により、山岳賞1位のヤン・ポランチェと同点まで登りつめたフライレだったが、この日の山岳賞ポイントではポランチェとの一騎打ちとなり、最後は得意のスプリントでしっかりとこれを仕留めた。
2015年ブエルタ、2016年ブエルタに次ぐ、3回目のグランツール山岳賞獲得に向け、王手をかけたフライレ。
勿論この後、3週目に待ち構える超級山岳ステージでの走り次第ではあるが、こちらも楽しみである。
昨年も第2ステージで着用したマリア・アッズーラ。しかしそのときは、イタリア半島上陸後すぐにリタイアせざるを得なくなってしまった。1年越しのリベンジは成るか?