りんぐすらいど

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ジロ・ディタリア2017 第2ステージ

サルデーニャ島開幕から続く第2ステージは、3級山岳と2級山岳を含んだ中級山岳ステージ。

ラストは前日同様の集団スプリントが予想されるも、その途中の山岳賞争いに注目が集まった。

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逃げは5人。

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中級山岳ステージだし、ワールドツアーチームも含んだもう少し大きな逃げが生まれるかな、と予想していたけれど、今日もプロコンチネンタルチームばかりだった。

その中で、テクレハイマノは2日連続の逃げ。昨日は悔しい結果に終わった山岳賞へのリベンジを目指す。

 

一方で昨日、山岳賞ジャージを獲得したボーラ・ハンスグローエのチェザーレ・ベネデッティは逃げに乗らず。

プロトンの先頭で、マリア・ローザを着るチームメート、ルーカス・ポストルベルガーのための牽引を買って出る形となった。

ボーラが集団の先頭で牽引する姿も珍しい・・・。前から2番目がマリア・アッズーラ(山岳賞)を着るベネデッティ。その3つ後ろがマリア・ローザを着るポストルベルガーだ。ちなみにポストルベルガーの2人後ろにいるのが、ポルトガルチャンピオンジャージを着たホセ・メンデス。ボーラにはナショナルチャンピオンジャージを着る選手が3人、世界チャンピオンジャージを着る選手が1人いる(今回参加はメンデスだけだけど)。

 

 

さて、問題の山岳だが、最初の3級山岳ヌオロ(残り127.1km地点)こそアンドレッタが先着し、テクレハイマノは3位通過に終わったが、そのあとの長い2級山岳ジェンナ・シラーナ(残り46.9km地点)はテクレハイマノが力を見せて先頭通過を果たした。

後方数十秒差にまで集団が迫ってきている中、猛スピードの山岳スプリントを見せたテクレハイマノは、カメラに向かってサムアップを決めた。これで彼はこの日の山岳賞ジャージの獲得と共に、2日連続となる敢闘賞獲得も果たした。

青いテクレハイマノ。ツールでエリトリア人初となる山岳賞ジャージを手に入れた彼は、このジロでも同国初となる山岳賞ジャージ獲得者になった。あとはブエルタだけか!?

(ちなみに、この2つ目の山岳で、2位・3位を獲ったのは、集団から飛び出してきたオマール・フライレとピエール・ローランであった。フライレはここ2年ブエルタで山岳賞を獲っている山岳賞マスターであり、昨年のジロも序盤で積極的に動いていた。ローランは元は総合系ライダーであったが、たとえば2013年ツールなどでは序盤に山岳賞への興味も示していた。カタルーニャ1周では逃げに繰り返し乗りポイント賞も獲得している。いずれも今大会で山岳賞を狙っていく可能性があるメンバーだけにここでの動きは注目したいところ)

 

 

山岳争いも終わり、あとはラストのスプリント対決を残すのみとなった。

優勝候補となるスプリンター勢がどれだけ山岳で残れるかがポイントではあったが、グライペル、ユワン、ガヴィリアといった重要なスプリンターのほとんどが問題なくこれを通過。

ただ、ジャコモ・ニッツォーロだけが遅れてしまう。長らく膝の故障で戦線離脱していたことが影響しているのではないか、とシクロワイアードでは書かれている。チームのアシストもなく独りで山を征くニッツォーロ。3年連続のポイント賞獲得への黄信号が灯っている。明日、挽回できればいいのだが。

 

また、昨日は優勝候補クライスヴァイクが13秒を失うアクシデントがあったが、今日も発生。カチューシャ・アルペシンの総合有力選手イルヌール・ザッカリンが、残り10kmを切ったあとのバイクトラブルで最終的に20秒を失う痛手。何が起こるかわからない。

 

そしてすべては最後の集団スプリントへ。

エドモンドソン、メスゲッツにリードアウトされるユワン。

リケーゼやマルティネッリに先導されたガヴィリア。

そしてモンフォール、マルチンスキーといった面々に支えられたグライペル

 

3者の激突。先行したのはグライペル

ユワンが追随し、超低空飛行スプリントで必勝態勢に移ろうとするが、そこで右方のガヴィリアに接触。

バランスを崩したユワンはペダルから足が外れてしまい、その瞬間にスプリントが不可能になってしまった。

左手を震わして悔しがるユワン。

そんな彼を尻目にして、昨年3勝したドイツチャンピオンが、今年の第1勝目を飾った。

左手を掲げたいつものポーズ。見慣れたポーズだった。


Giro d’Italia Stage 2 Highlights

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結局ガヴィリアは4位。イマイチ調子がよくないのか?

 

そしてストゥイヴェン、ズバラーリ、バッタリン、ギボンズは2日続けてのトップ10入り。このあたりは今大会調子の良さそうなスプリンターだ。

 

 

グライペルはマリア・ローザ及びマリア・チクラミーノも着用。

プロ140勝目。マリア・ローザを着るのは初めてだ(総合リーダージャージを着ること自体も初めて??)。

ユワンもこの名誉あるジャージを着る大きなチャンスを2日続けて逃した形になるが、彼もまだ若い。これからも十分にチャンスがあるはず。あのサガンですら、昨年やっと着れたのだから・・・。

 

ちなみにここまでの成績で、グライペルが得たボーナスタイムは14秒。

ユワンは6秒。

 

明日(今日)のステージでユワンがステージ優勝し、グライペルが4位以下に沈めば、ユワンが逆転首位に立つことは可能だ。

ぜひ頑張ってもらいたい。

 

 

そんな第3ステージだが、距離も短くほぼド平坦といった感じのコース。

勝負所は最後のゴールくらいなもので、平穏なレースとなりそうだ。

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なお、グライペルは2009年のブエルタ以来、出場した12回のグランツールすべてで勝利を重ねている。ツール11勝。ブエルタ4勝。そしてジロ7勝は出場選手の中で最多。

以下の記事を参照のこと。

www.jpsg.co.jp

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