3月22日水曜日、ベルギー北西部西フランドル地方を舞台に行われるワンデーレース。今年からワールドツアー入りを果たした。
ここから2週間にわたって行われる、フランドルクラシック4連戦の開幕を告げるレースであり、ヘント~ウェヴェルヘムやロンド・ファン・フラーンデレンでもお馴染みの石畳区間・激坂区間を持つことでも有名である。
上のマップの緑→オレンジ→赤の順でコースを辿る。後半残り35km辺りから「オウデ・クワレモント」や「パーテルベルグ」などのお馴染みの急坂が待ち構えている。
ロンドなどと比べると有利なのか、過去の上位入賞者の名前を見るとスプリンターの名前もちらほらと見られる。昨年もブライアン・コカールがあわや優勝か、というところまで行った。
そんな特徴をもつこのレースで、個人的に注目している選手が2人いる。
1人目がエドワード・トゥーンス。
トレック・セガフレードに所属する、ヘントブリュッヘ出身の26歳だ。
Edward Theuns
プロコンチネンタルチーム(トップスポート・フラーンデレン)に所属していた2014/2015シーズンから、エトワール・ド・ベセージュやダンケルク4日間レースなどでその存在感を発揮していた。
トレック・セガフレードへの移籍が決まった昨シーズンも、パリ~ニース区間2位、ツール・ド・フランスでも区間5位を2回取るなど、初めて走るワールドツアーレースでもしっかりとその実力を見せつけていた。
しかし、ツール・ド・フランス第13ステージの個人タイムトライアルで激しく落車。
背中を強く打ち付け、シーズン後半を棒に振ることになってしまった。
12月に復帰したトゥーンスは、今シーズン開幕戦となるツアー・ダウンアンダーに早くも出場。
万全とは言えない状態の中で、区間8位と5位という結果を出すなど、復帰は好調に進んでいる様子だが、パリ〜ニースではイマイチな結果に終わった。
しかしドワルスドール・フラーンデレンは初出場の一昨年に2位、昨年も3位と相性がいいレース。ここで本格的な復帰を遂げたいところである。
Jens Keukeleire
もう1人の注目選手が、オリカ・スコットでエースを務めるイェンス・ケウケレールである。28歳のベルギー人。
彼は過去5年間で4度、ベスト10に入っている。
昨年はとうとう5位と、過去最高の順位を記録した。
スプリンターとしては新鋭のコルトニールセンにお株を奪われつつあるが、ベルギーのクラシックレースでは自分の方が一枚上手である、と証明したいところ。
実際、ツール・ド・スロベニアでの勝利など、ゴール手前に起伏を含むレースでの勝率は高く、スプリンター向けの北のクラシックとの相性がいいことがわかる。
昨年ブエルタの第12ステージで勝利。サイモン・イェーツに次ぐオリカの2勝目となった。ただしこのあとコルトニールセンが2勝を重ねる。
Other Favourites
他にも、ストラーデ・ビアンケでも良い走りを見せていたスコット・スウェイツや、ティンコフからあえてサガンと行動を共にせずアスタナに移籍したオスカル・ガットなど、注目したい選手はいたのだが、その両名ともにチームが本レースに参戦しないことを決めたらしく、不参加。
非常に残念である。
それ以外では、初出場となるらしいマイケル・マシューズの走りにも注目だ。サンウェブはほかにニキアス・アルントもいて、こちらでも勝利を狙っていけるかもしれない。
ほかにもアルノー・デマールが初出場か。ワールドツアー化したことで出場選手もより豪華になり、例年よりもハイレベルな戦いが繰り広げられるかもしれない。
もちろんディフェンディングチャンピオンのデブシェールと、そのチームメートのティース・ベノートも優勝候補に挙げられるだろう。