第2ステージのリベンジは、すぐにでも果たす。
あの走りが、決して偶然ではなかったことを、見事に証明した。
最強のライバルであるマルセル・キッテルが、遅れて後方に下がっていたために一騎打ちにはならなかったものの、それでもアンドレ・グライペルとマーク・カヴェンディッシュという超一流スプリンターをまとめて下したのは快挙である。
カレブ・ユワン。これにてワールドツアーレース貫禄の5勝目。
次はこの勝利を、ジロ・ディタリアで見せてほしいものだ。
アブダビ・ツアー最終ステージはヤスマリーナ・サーキットを26周するステージ。
当日は生憎の大雨で、夜6時から始まるナイトレースであったことも相まって、なかなかお目にかかれない独特のレースシーンを見せてくれた。
このステージでの見所は2つ。
1つは、ボーラ・ハンスグローエの26歳ドイツ人、パトリック・コンラッド。
最初の逃げに乗り、そのまま2つの中間スプリントポイントを先頭通過。
3番目の中間スプリントも2位通過したことで、ボーナスタイムによって総合10位にランクイン。
さらにアブダビ・ツアー独自の賞である中間スプリント賞も獲得した。
また、クイックステップ・フロアーズの25歳フランス人、ジュリアン・アラフィリップも、3番目の中間スプリントポイントを先頭通過し、ボーナスタイムで総合5位に上昇。
さらには新人賞も獲得した。
しかし本当にこの人は何なんだ。
クライマーの如き登坂力と、スプリンターと競い合えるスプリント力・・・
まるでどこぞのプロ100勝を記録した超人である。
そして最終スプリント。
ここで魅せてくれたのはカレブ・ユワンだけでなく、そのアシストを買って出たロジャー・クルーゲの存在。
IAMサイクリングに在籍していた昨シーズンも、ジロ・ディタリアで勇気ある飛び出しの結果、ギリギリで勝利を掴んだアタッカーである。
190センチを超える身長は、小柄なユワンの身体を完全に隠し、最高の風除けとなってくれる。
今シーズンはツアー・ダウンアンダーからずっと、ユワンの最終発射台としての役割を果たし続けてくれている。
これまではオリカの発射台と言えばダリル・インピー、というイメージだったが、今シーズンはこの、ユワン&クルーゲコンビが次々と勝利を重ねていってくれるかもしれない。
2人の活躍に今後も期待だ。
アブダビ・ツアー直前のトレーニングでも、共に走る姿が多く見られたユワンとクルーゲ。オリカ・スコットの最強コンビなるか!?
そして、ルイ・コスタ総合優勝おめでとう。
プロロードレーサーとしての最高の働きをしてくれた。
今シーズン非常に調子のいいスタートを切れているルイ・コスタ。
今後、グランツールシーズンでの活躍もぜひ、期待していきたい。