りんぐすらいど

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ドバイ・ツアー2017 プレビュー&第1ステージ

いよいよ2017シーズン、「砂漠の2月」期がスタートする。

その第1戦となるのが、中東・アラブ首長国の1つドバイを舞台にするステージレース。

今年は例年よりも1ステージ増えた合計5ステージ。名物ハッタ・ダムに登るステージも一応用意されてはいるが、基本的にはスプリントステージでボーナスタイムを稼いだスプリンターたちが勝利を獲得している。

まさに、「スプリンターのスプリンターによるスプリンターのためのステージレース」(

トップスプリンターの競演。ドバイツアーはこの選手に注目! - サイバナ)であると言える。

 

今回はこのドバイ・ツアーのプレビュー、および第1ステージのレビュー、およびこれを機に無料トライアルを始めたDAZNの感想も書いてみたいと思う。

 

目次

 

注目選手たち

既に述べたように、ドバイ・ツアーはほぼピュアスプリント向けのステージばかりのコースレイアウトであり、総合優勝も名だたるピュアスプリンターたちが獲ってきた。

ハッタ・ダムに登る頂上ゴールもあるにはあるが、1km程度の短い登りであり、白熱した戦いを見ることはできるが、その勝利だけでは総合優勝は難しい。

 

たとえば2015年はこのハッタ・ダムを制したジョン・デゲンコルブが一時総合首位に立つが、最終ステージで2度目の勝利を決めたマーク・カヴェンディッシュがボーナスタイムを得て、最終的に総合優勝を果たした。

2016年もハッタ・ダムを2位でゴールしたジャコモ・ニッツォーロが総合首位に立ったものの、やはり翌日の最終ステージで2度目の勝利を決めたマルセル・キッテルが総合優勝となった。

 

このことから、スプリントステージでの勝利数が総合優勝に直結することがよくわかる。ここで2勝することが鍵となるだろう。

ただし今年はスプリントステージが1つ増えている。もしかしたら2勝だけでは・・・心もとないかもしれない。

 

 

さて、上記の振り返りを踏まえつつ、今年の注目選手を確認する。

何と言っても、すでに総合優勝を果たしているマーク・カヴェンディッシュ(ディメンションデータ)マルセル・キッテル(クイックステップ・フロアーズ)は間違いなく優勝候補となるだろう。

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ディフェンディングチャンピオンマルセル・キッテル(上段)と、昨年ツール4勝を果たし絶好調のマーク・カヴェンディッシュ(下段)。

 

さらに、昨年は年初の事故により残念ながら出場できなかったジョン・デゲンコルブ(トレック・セガフレード)の復活が見られるかどうか。さらには、過去2回の本レースでいずれも勝利を挙げているエリア・ヴィヴィアーニ(チーム・スカイ)が、今年こそ総合ジャージに袖を通すか。

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新チームへの移籍後初勝利となるか、デゲンコルブ(上段)。南米レースでの雪辱を晴らすことができるか、ヴィヴィアーニ(下段)。

 

その他、オランダロードレースチャンピオンのフルーネヴェーヘン(ロットNLユンボ)、昨年UCIワールドツアーランキング14位のソンニ・コルブレッリ(バーレーンメリダ)、さらには昨年ブエルタで久々のスプリント勝利なるか⁉というところまでいったダニエーレ・ベンナーティ(モヴィスター・チーム)も、横風の強い中東の地でのスプリントに、意外な適性があるかもしれない? まあ、ここは趣味である。

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笑顔の素敵なベンナーティ。エースナンバーのウィナー・アナコナ(後列中央)にはハッタ・ダムでの勝利に期待。

 

ほかにも、勝利には関わらないだろうが、その活躍に期待したい選手たちも多数参加している。たとえば以下の選手たち。

 

クイックステップ・フロアーズ

ジュリアン・アラフィリップ、ボブ・ユンゲルス、マッテオ・トレンティン

BMCレーシング

ジャン・ピエール・ドラッカー、ダニエル・オス、サミュエル・サンチェス

チーム・スカイ

イアン・ボズウェル、ジャンニ・モズコン、タオ・ゲーガン・ハート

etc...

 

2017年シーズン開幕戦となる選手も数名。

彼らの年初の動きを、ぜひ注目していこう。

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左からヴィヴィアーニ、デゲンコルブ、キッテル、カヴェンディッシュと有力スプリンターが終結。一番右にいるのはUAEアブダビのエース、地元UAE出身のヨウセス・モハメド選手である。

 

 

第1ステージの勝利は誰の手に?

さて、そんなドバイ・ツアーも早速開幕している。

その様子を振り返っていこう。

 

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まず、逃げに乗ったのは5人。

写真の先頭から順にルヴァン・ディリエ(BMCレーシング)マッテオ・ボノ(UAEアブダビ)ダニエル・ピアソン(アクアブルースポート)トーマス・スチュワート(ワンプロサイクリング)ニコラ・ボーム(バルディアーニ)である。

 

この逃げの中からスプリントポイントを積極的に取りにいったのニコラ・ボーム。

合計で12ポイントを獲得し、ポイント賞ランキングでは3位に入った。

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表彰台に立つボーム。敢闘賞かな?

 

プロトンではスプリント勝利を狙うクイックステップ、ディメンションデータ、チーム・スカイが積極的に牽引。

とくに昨年ジロで新人賞を獲得したルクセンブルクチャンピオン、ボブ・ユンゲルスが集団牽引の大きな担い手となった。

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逃げは残り10km地点で吸収。

そのあとは各チームのトレインによるポジション取り合戦が激しく繰り広げられる。

ラスト数百メートルで、クイックステップ・フロアーズのトレインがキッテルのための最高のポジションを確保。

そして放たれる最強スプリンター。

カヴェンディッシュも必死にこれを追い上げるが――

 

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勝ったのはマルセル・キッテル

すぐ後ろで悔しそうにうなだれるマーク・カヴェンディッシュ

まるで昨年の焼き直しである。

 

そして2位にはフルーネヴェーヘンが。やはりこの男は、最強スプリンターたちに劣らない力量を持っている。

カヴェンディッシュは3位。4位にはジョン・デゲンコルブが入っている。もはや彼は完全復活を遂げたと言っていいのだろうか。期待したい。

5位はサッシャ・モドロ。2位続きだったヴィヴィアーニは6位と残念な結果。

 

クイックステップ・フロアーズはこれで、今年早くも6勝目。

絶好調である(肝心のクラシックシーズンで失速しなければいいが・・・)

 

 

ドバイ・ツアー2017 第1ステージ ステージ順位

※年齢はすべて、数え年としています。

1.マルセル・キッテル(ドイツ、29歳、クイックステップ・フロアーズ)

2.ディラン・フルーネヴェーヘン(オランダ、24歳、ロットNLユンボ)

3.マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、32歳、ディメンションデータ)

4.ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、28歳、トレック・セガフレード)

5.サッシャ・モドロ(イタリア、30歳、UAEアブダビ)

6.エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、28歳、チーム・スカイ)

7.ジャンピエール・ドラッカー(ルクセンブルク、31歳、BMCレーシング)

8.シモーネ・コンソーニ(イタリア、23歳、UAEアブダビ)

9.スティール・ヴォンホフ(オーストラリア、30歳、ワンプロサイクリング)

10.アダム・ブライス(イギリス、28歳、アクアブルースポート)

ポイント賞:マルセル・キッテル(ドイツ、29歳、クイックステップ・フロアーズ)

新人賞:ディラン・フルーネヴェーヘン(オランダ、24歳、ロットNLユンボ)

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昨年に続き初日勝利を果たしたマルセル・キッテル。総合でも2連覇なるか⁉

 


Dubai Tour: Stage 1 - Highlights

 

DAZNを使ってみての感想

今回、DAZNがドバイ・ツアーの放映権を獲得したことを受けて、1か月無料のトライアルに参加することにした。

Jsportsにお世話になってきた身として、Jsportsのみを支持するというのも一つの考えではあったのだが、やはりジロを見られないというのは痛手で、この時期にまず、DAZNの使い心地を確認しておく必要があると考えた。

 

実際使ってみての簡単な感想は以下の通りである。

 

  • 画質はよい。問題ない。
  • UIの使い心地もすぐ慣れて問題なくなる。むしろカッコいい。カーソルをアクティブにするといくつか情報が出てくるのが地味に嬉しい。
  • 再生中のタブを消して再びサイトにアクセスしたときに、視聴していたところから再開することができない。Jsportsオンデマンドはこれができたので便利だったが・・・自分がやり方を知らないだけかもしれないが。
  • 見逃し配信がいつまでやっているかは不明。Jsportsオンデマンドはこの期間が長かったのが魅力だが、それと比べてどうか。
  • 何と言っても、ロードレース以外の動画も見放題なのが嬉しい。気になっていたプレミアリーグなどが気軽に見れるのは嬉しい。

 

もちろんこれからしばらく使ってみないとわからないところは多い。

しかし、せっかくの無料トライアル期間があるので、気になっている人はぜひ、試してみよう。

(ただし、ストラーデビアンケが3月5日にあるので、2月5日以降にトライアル開始した方がお得かもしれない)

 

 

さて、寝不足の日々がまた始まる・・・。

 

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