りんぐすらいど

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ツアー・オブ・アルプス2019  コースプレビュー

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Class:ヨーロッパツアー HCクラス

Country:オーストリア〜イタリア

Region:チロル〜南チロル〜トレンティーノ

First edition:1962年

Editions:43回

Date:4/22(月)〜4/26(金)

 

かつてはジロ・デル・トレンティーノと呼ばれていた「ジロ・デ・イタリア前哨戦」が、2017年より名称を変更。開催地域もイタリアからオーストリアにまで拡大してより魅力的なレースに進化した。

今年もニバリ、マイカなどジロを狙う総合系ライダーの参戦はあるものの、昨年ほどの豪華さはない(フルームも出場するが今年はジロは狙わないため、どこまで本気の走りをするかは不明)。

しかし昨年もビルバオやオコーナーなど、ジロで予想外の活躍をした選手たちが頭角を現したレースでもある。

今年も地味だが魅力的な選手たちが集まっており、十分に注目すべきレースになっていると言えそうだ。

 

今回は全5ステージのコースを紹介していく。

アルプスの名を冠する通り厳しい山岳を特徴とするレースで、5日間の総獲得標高は1万3千メートル(1日当たり2,600メートル)となっている。

ピュアスプリンター向けのステージは一切なし。

かといって、ピュアクライマーに圧倒的に有利な純粋な山頂フィニッシュはほぼないと言ってよく、クライマー同士でのスプリントや下りを利用したアタックなど、ちょっとテクニカルな戦術が総合優勝には必要になりそうだ。

 

 

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第1ステージ  クーフシュタイン〜クーフシュタイン  144㎞

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スタート/ゴール地点のクーフシュタインはチロル州北東部。ドイツ国境にほど近く、インスブルックからは車で1時間半ほど、ドイツのミュンヘンからは車で2時間ほどの距離に位置する。

この日は2つの周回コースを使用する。1つ目は1周34.5㎞を3周回、最大勾配10%のマリーアシュタインの登りを通過する。

もう1つが1周13.5㎞の2周回。登坂距離2㎞、平均勾配10%の厳しい登りヒンターティーエルセを含む周回となる。

最後のヒンターティーエルセの山頂からゴールまでは13㎞。初日から、アタックを決めたパンチャーたちによる逃げ切りが発生してもおかしくはない。集団スプリントになったとしても、ピュアスプリンターはまず残っていないだろう。

総合争いに影響するようなステージではないが、初日から面白い展開は見られそうだ。

 

 

第2ステージ  ライト・イム・アルプバッハタール〜シェーナ  178.7㎞

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クーフシュタイン南西28.5kmに位置するアルプバッハタール谷。この谷合をぐるりと反時計に周り、やがてイン川に沿って南西にまっすぐ長距離移動を開始する。

インスブルックの近くでまずは3級山岳トゥルフェス。登坂距離5.1㎞、平均勾配7.1%。まだゴールまでは100㎞以上残っており、逃げ集団が先頭通過することになるだろう。

より重要なのはイタリア入国後に直面する1級山岳モンテ・ジオヴォ峠。15㎞の登坂の平均勾配は7.5%とそれなりの難易度。

この山頂からゴールまではまだ40㎞以上もあり、温泉保養地のメラーノに向けて、延々と続く長い下りが横たわっている。

このメラーノからゴールのシェーナまでは4.5㎞の登り。平均勾配は5.7%だが、最後の400mは10%に達するため、登れるスプリンターやパンチャー、あるいはわずかでもボーナスタイムを稼ぎたい総合系のクライマーが勝利を巡る争いを繰り広げることだろう。

 

 

第3ステージ  サロルノ〜バゼルガ・ディ・ピネ  106.3㎞(山岳)

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北イタリアのドイツ語圏最南端の街サロルノからスタート。最初の8㎞は平坦だが、あとは登るか下るか続くアップダウンコース。100㎞ちょっとの短いコースながら獲得標高が2650mにも達するという、難易度の高いステージだ。

ジロ・デ・イタリアの優勝者フランチェスコ・モゼールやジルベルト・シモーニの生まれ故郷であるパルー・ディ・ジョーヴォの街を通過し、最初の登りは55㎞地点の3級山岳ブルザゴ。登坂距離は4.7㎞あるが、登り始めの500mが13.2㎞とかなり強烈。そのあとも2㎞ほど10%以上の勾配が続き、全体の平均勾配は7.7%ほどになる。

ゴールまで32㎞ほどのところで登り始める2級山岳サンタ・コロンバ湖は登坂距離5.6㎞/平均勾配7.4%。そのあとはカテゴリ山岳は存在しないが、ゴール前10㎞からは登坂距離5㎞/平均勾配8%のそれなりの登りが。

この頂上からゴールまでは平坦となっており、逃げに乗った小集団か、もしくは総合勢の集まるメイン集団の中での、クライマー同士のスプリント勝負が演出されそうだ。

 

 

第4ステージ  バゼルガ・ディ・ピネ〜クレス  134㎞(山岳)

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スタート直後に下り。レースも終盤に入り、なんとかステージ優勝を持ち帰りたい選手や山岳賞狙いの選手たちによる活発なアタック合戦が繰り広げられそう。カテゴリのついてない登坂距離5㎞/平均勾配5%の登りを越えて、ゴール地点のクレスの街を一度通過して、1級山岳フォルチェッラ・ディ・ブレッツに。残り67㎞から登り始めるこの5.9㎞の登坂は、平均勾配が10%を超える強烈な登りだ。

そこからの長い下りと途中の小さな登りをいくつか経た後に、2級山岳パッソ・プレダイアの登りに挑む。登坂距離10㎞、平均勾配7.5%。

この山頂からゴールまでは19㎞。カテゴリ山岳はないが、ゴール前5㎞地点に登坂距離2㎞、平均勾配7%、しかし真ん中あたりの勾配は11%を超えており、最大勾配区間は15%に達するという強烈なポイントも。

ラスト3㎞は平坦。このゴール前の激坂ポイントでアタックを成功させた選手がそのまま逃げ切りを決めそうなステージだ。

 

 

第5ステージ  カルテルン〜ボルツァーノ  147.8㎞(山岳)

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スタート地点のカルテルンはイタリア語ではCaldaro sulla strada del vino(カルダーノ・スッラ・ストラーダ・デル・ヴィーノ)となる。ただし住民の9割がドイツ語話者であり、ドイツ語ではKaltern an der Weinstraße(カルテルン・アン・デア・ヴァインシュトラーセ)となる。

strada del vinoもしくはWeinstraße、いずれも「ワインの道」という意味である。

アクチュアルスタートから40㎞。ゴール地点のボルツァーノに1度立ち寄るまでの間に2つの小さな登りを攻略する。

そのあとは緩やかな登り基調をゆっくりとこなしつつ、ゴールまで80㎞を残したあたりから1つ目のカテゴリ山岳、2級コッラルボに至る2つの登りを目の前にする。全長は17.2㎞で平均勾配は4%だが、これは当然、途中の下りを含んだうえでの数字である。

その後、19㎞に及ぶ長い下りを経てプロトンは再びボルツァーノの街に。そこからまっすぐ1級山岳イェーネジーンへ。残り44㎞地点から始まるこの今大会最後の登りは、登坂距離は9.5㎞、平均勾配は8.5%。しかしこれを登り終えてからの平坦の後にも、カテゴリはついていないけれども短くて鋭い登りが。その最大勾配は13%だ。

最後のこの小さな登りの山頂からゴールまでは、17㎞の下りと8㎞の真性な平坦。

生き残ったクライマーたちによるスプリント争いで決着?それとも抜け出したアタッカーによる逆転総合優勝?  最後まで白熱の展開が見られそうだ。

 

次回は注目選手を紹介。

 

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