りんぐすらいど

サイクルロードレース情報発信・コラム・戦術分析のブログ

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【簡易レビュー】スパルカッセン・ミュンスターラント・ジロ

珍しく単発で簡易な感じのレースレビューを。

10月主要レース用として書いたが、それなりに事件も起こったので一度単発記事としてアップする。

のちに10月主要レースを投稿した際には消すかもしれません。

 

 

取り扱うのは本日行われたドイツのワンデーレース「スパルカッセン・ミュンスターラント・ジロ」。

実にドイツらしいフラットなピュアスプリンター向けワンデーレースで、過去の優勝者もグライペルやキッテル、デゲンコルブなどドイツ人に溢れている。

 

昨年はパスカル・アッカーマンが絶対優位かと思いきや、チームメートのサム・ベネットと横並びのスプリントをしてしまい、その勝利をワルシャイトに奪われる。 

www.ringsride.work

 

今年はアッカーマンの単独エース。

リードアウターにジロでも強力なタッグを組んでいたリュディガー・ゼーリッヒ、その前の牽引役としてアンドレアス・シリンガーやミヒャエル・シュヴァルツマンを用意するなど豪華な布陣で、必勝態勢で臨むことに。

 

その対抗馬として期待されるのは、ツアー・オブ・ブリテン3勝と調子の良さを取り戻してきたディラン・フルーネウェーヘン。

しかしこちらはゴール前1kmでまさかのパンク。テウニッセンが代理でスプリントに挑むも、6位で終わってしまった。

 

 

こうなれば、本当にアッカーマンが敵なしか、と思われたが、最後の瞬間にドゥクーニンク・クイックステップのリードアウターが一気に抜け出す。

その勢いのまま、ホッジが先頭でフィニッシュラインに。最後はホッジもアナウンスを聞くまで自分の勝利が信じられなかったようだが、勢いでは明らかにアッカーマンを凌駕していた。素晴らしい勝利だった。

Embed from Getty Images

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スプリンター最強軍団のドゥクーニンクとはいえ、今回はモルコフもサバティーニもリケーゼも連れてきていないため、大本命とは思えなかった。

しかし最後の瞬間に、ボーラを完全に圧倒する素晴らしいリードアウトを見せたフロリアン・セネシャル。

強力なリードアウターたちがいなくなるドゥクーニンクの来期に向けた希望の光となった。

 

  

が、問題も発生。

ゴール前、リードアウトを終えたセネシャルが降りてきた際に、スプリントを開始していたワルシャイトと接触し、スポートフラーンデレンの選手を巻き込んで落車。

これをワルシャイトの所為だと判断したセネシャルが、ゴール後のインタビューのカメラが回っている前で思い切りワルシャイトに殴りかかったのだ。

www.cyclingnews.com

 

映像を見る限り、ワルシャイトの所為、というのはやや疑問が残る。

レース直後の選手は非常に感情が高ぶっており、思わずよくない言葉を発してしまうことなどはよくあることだが、それでも手を出してしまうのはかなりマズい。

選手としては本当に本当に素晴らしい走りをしただけに残念。

のちに冷静に謝罪ツイートなどがあって、それにワルシャイトも笑顔で応じるみたいなやり取りがあればいいんだけれど・・・。

 

 

なお、このレースはマチュー・ファンデルポールにとっての今年最後のロードレースでもあった。

途中、アタックする素振りも見せたマチューだったが、最終的にはチームメートでベルギー王者であるメルリエのためのアシストに専念。

その結果メルリエはきっちりと表彰台も獲得。これにてマチューの2019年ロードレースが終了する。

 

今年はアムステルゴールドレースなどで世界を揺るがす大勝利などを経験するも、ロンド・ファン・フラーンデレンでは手痛い落車、世界選手権ロードレースでは雨の中本人も予想していなかった大失速も経験。

栄光も、失敗もたくさんあって、取りこぼしたリザルトも多くあると感じていることだろう。

そのハングリー精神を残したまま、また来期、まだまだロードレースへの集中はできないかもしれないけれど、大いなる成果を叩きだしてくれることを期待している。

 

まあ、オリンピックでのマウンテンバイク金メダルが、先かもしれないけど!

 

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