りんぐすらいど

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【全ステージレビュー】ジロ・デ・イタリア2019 第1週

例年と比較しても平坦ステージの割合が多い第1週。

本格的な山岳ステージが2週目以降ということで、波乱もない平穏な第1週を過ごすことができるだろう・・・と思っていたなかで、まさかの波乱アンド波乱の連続。

 

降格処分、大落車による有力勢のリタイア、雨、また雨。

そんな中、圧倒的な強さを見せつけるプリモシュ・ログリッチェ。これまでに一度もグランツールの総合表彰台に登ったことのない男が、レース前の評判通りの結果を出してしまうのか?

 

しかし、何が起こるかわからないのがジロ・デ・イタリア。

この先の2週間のすべての伏線となりうる第1週を、振り返っていこう。

 

↓各ステージのプロフィールなどは以下を参照↓

www.ringsride.work

  

 

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第1ステージ ボローニャ〜サンルーカ 8㎞(個人TT)

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8kmと短いながらも、ラスト2kmに平均勾配9.7%の激坂が用意された特殊な個人TT。

登りの手前にバイク交換ゾーンすら用意された登りTTは、想定以上にクライマー有利なレイアウトであったと結論付けることができるだろう。

 

雨模様の予報も影響し、トップバッターに優勝候補トム・デュムランが走るというかなり珍しい展開。彼のタイムがしばらく残り続けるかとも思っていたが、次々と有力候補が出走し、とくに驚きのタイムを叩き出したのが、デュムランに1秒以下のタイム差で勝利したミゲルアンヘル・ロペス。

コースがクライマー向きだったというのもあるだろうが、彼自身が着実にTTを改善していること、そして新型TTバイクを用意したことがプラスになったのかもしれない。

TTの存在により、もしかしたらロペスよりもチームメートのヨン・イサギレの方が今大会は有利なんじゃないかと見る向きもあったが、とりあえず今日の結果だけを見てみれば、ロペスは十分に総合優勝候補と言えそうだ。

 

そして、そんなロペスを超えるタイムを叩き出したのがヴィンツェンツォ・ニバリ。そして、さらには圧倒的なタイムで、今大会最大の優勝候補であるプリモシュ・ログリッチェが最初のマリア・ローザを手に入れた。

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あえて終盤のスタートを選んだサイモン・イェーツも、パリ~ニースでの個人TT優勝の勢いをそのままに好タイムを記録。

しかし彼の走りもログリッチェには届かず、大方の予想通り、今大会はログリッチェがこのまま突き抜けてしまうのか?

 

ロペス以外にもマイカやゲオゲガンハート、モレマなどが好走を見せた一方で、イネオスのエース候補だったパヴェル・シヴァコフが1分1秒遅れ、ミケル・ランダが1分7秒遅れ、イルヌール・ザッカリンに至っては1分20秒も遅れるなど、総合優勝争いにおいていきなりのビハインドを抱えることに。

また、イネオスのもう1人のエース候補であったイバン・ソーサは1分56秒もの遅れを喫する。

これは彼がシヴァコフ(もしくはゲオゲガンハート)のためのアシストに回ることを示すのだろうか。

 

また、この日のフィニッシュには3級山岳ポイントが設定されているが、そのポイントは「最後の登り区間だけのタイムを算出し、そのタイムが最も小さいものから順に与える」というルール。

このボローニャはセガフレード社の本拠地ということで、ここで錦を挙げるために抜擢されたのがジュリオ・チッコーネ。

前半の平坦部分を流し、バイクを交換し、全力で登りに挑んだ彼は、見事ログリッチェのタイムを3秒上回り、山岳賞ジャージを手に入れた。

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2016年にバルディアーニCSFでプロデビューを果たした彼は、その年にいきなり出場したジロでまさかのステージ勝利を達成。

その後も才能を見せつけて昨年は山岳賞2位。ワールドツアー初年度となった今年こそはその獲得を目指し、まずは重要な第一歩を踏み出した。

 

 

第2ステージ ボローニャ〜フチェッキオ 205㎞(平坦)

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激しい雨に降られたレース前半戦。アペニン山脈を越えるコースは結構なアップダウンに富んでおり、逃げ切りの可能性すら含んだこのステージで形成された逃げは8名。

その中で初日山岳賞を手に入れたチッコーネはこの日もアグレッシブに走り、すべての山岳ポイントを先頭通過し、合計ポイントを21に積み上げた。昨年はクリス・フルームに奪われた山岳賞。今年はこの序盤から少しずつ着実に積み重ねていきたい。

 

激しい天候と登りにも関わらず、あらゆる有力スプリンターたちが最後まで生き残った。途中で力負けで脱落する選手はほぼおらず、残り10kmでジャコモ・ニッツォーロ(ディメンションデータ)、そして残り2kmでマヌエル・ベレッティ(アンドローニジョカトリ)がメカトラに見舞われたほかは、ほぼ全有力スプリンターがぶつかり合うフィニッシュとなった。

チモライだけは、ゴール前900mでアシストから外れたルガックの落車にやや引っ掛かったものの、転倒にまでは至らず、無事に済んだ。ただこのときの接触がなければもしかしたらもう1つか2つ順位を上げられていたかもしれない。

 

スプリントは一見、ラスト1kmを過ぎてもロジャー・クルーゲ、トッシュ・ファンデルサンド、そしてジャスパー・デブイストを残していたロット・スーダルが最も有利なように見えた。デブイストは残り200mまでリードアウトを果たし、カレブ・ユアンを最高の形で発車させた。

しかし、その後方でリュディガー・ゼーリッヒに導かれながら息を潜めていたパスカル・アッカーマンが、完璧なタイミングで大きく進路を変えて単独でスプリントを開始した。ガビリアをチェックしていたというヴィヴィアーニは、突然視界の外から現れたジャーマンスプリンターの後輪に慌てて飛び乗るが、強い追い風に助けられたドイツの巨人はそのまま栄光のフィニッシュラインに向けて爆走した。

得意の超低空スプリントで追いすがるユアンも、その後ろで身動きの取れなかったガビリアも、全ての超有力トップスプリンターたちを従えて、初出場の「ボーラ3番目の男」が最高の瞬間を手に入れた。

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2016年ジロでキッテルが勝利して以来の、ドイツ人によるラインレース初日でのスプリント勝利。しかも、ドイツチャンピオンジャージを着る、ドイツチームのエースとして走る男が。

キッテルが休息を宣言した直後に、新たな時代の幕開けを告げる鮮烈なる勝利となった。 

 

 

第3ステージ  ヴィンチ〜オルベテッロ  220㎞(平坦)

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平穏なスプリントステージになると思われていたこの日、2つの大きな話題が巻き起こる日となった。

1つは、NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネの初山翔が144kmの単独エスケープを敢行したこと。これまでも別府、新城といった日本人選手たちが逃げに乗って表彰されることもあったが、今回は初日の西村の衝撃的なリタイアも相まってか、日本だけでなく世界中でも、この孤独な戦いに挑んだ日本人選手のことは大きな話題となったようだ。

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そしてもう1つが、強い向かい風の中での集団スプリントで巻き起こったヴィヴィアーニのクレバーかつ強烈なスプリントと、その後にもたらされた「降格」騒動。

この問題について、および各チームのアシストや単独で戦いに挑んだスプリンターたちの見事な戦術や位置取りについて、以下の記事に詳しく書かせてもらった。

www.ringsride.work

 

最終的に「勝利」を手に入れたのはガビリア。

しかしその表情は固く、謙虚な口ぶりでこの日最も強かったのはヴィヴィアーニだった、と告げた。

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第4ステージ オルベテッロ〜フラスカーティ 223㎞(丘陵)

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波乱は前日の降格騒動だけではなかった。この日も、プロトンを揺るがす大きな事件が。

ワインの生産も盛んなフラスカーティへと至る丘陵ステージ。3名の逃げは残り10kmですべて吸収され、登りフィニッシュに向けて大集団が突き進んでいく。

 

しかし残り7km地点。集団の前の方で落車が発生。

トム・デュムランがこのときに左膝を負傷。翌日にリタイアを決めることとなった。

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「これでツールに集中できる。ツールに切り替えていこう」というのは簡単だが、そう単純な話ではない。

デュムランは今回のジロに本気で挑むつもりだったのだし、彼にとってかけがえのない今年のジロであった。大きなショックと失望に打ちひしがれているのは間違いないが、まずはしっかりと休息し、次に備えていってほしい。

 

 

そして、この落車の直後にも、ラウンドアバウトで小さな落車が発生。ここにミケル・ランダとサイモン・イェーツが巻き込まれ、ヴィンツェンツォ・ニバリやミゲルアンヘル・ロペスも足止めを食らってしまった。

結局、総合勢で先頭に残ったのはプリモシュ・ログリッチェだけ。何でもないと思われていた日に、ライバルたちとの思いがけぬタイム差を手に入れることができた。

 

そして、ログリッチェと共に先頭に残った15名が、最後の登りスプリントに挑む。

必勝態勢を組んだのはこの中に3名を含めていたUAEチームエミレーツ。ポランツ、そしてコンティによる強烈な牽きによってヴィヴィアーニやデマールといったスプリンターたちは脱落し、残り1kmを切ってからも先頭はコンティ、その後ろにウリッシという盤石な体制であった。

しかし、残り400mでカラパスがアタック。ウリッシも追いかけようとするが届かず、最後には唯一残ったスプリンターのユアンがその差を埋めようとするが、そのままカラパスが逃げ切って昨年に続くステージ優勝を飾った。

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昨年総合4位。今年はランダのためのアシストとして走る予定だった。

しかしそのランダが今日、落車に巻き込まれて大きくタイムロス。

ランダよりはTTの強いカラパスが総合成績では上位につけ、もしかしたらもしかして・・・という状況になりつつある。

野心溢れる男、カラパスは今年も強烈な走りを見せてくれるのか。

そして悩める男ランダはまたその表情を暗くしてしまうのか・・。

 

 

第5ステージ フラスカーティ〜テッラチーナ 140㎞(平坦)

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異常なほどの勢いで降り続ける雨の中、最終周回に関しては総合ニュートラル扱いという事態に。デュムランはこの日の途中でバイクを降りる決断をし、荒れたジロを象徴するかのような日となった。

 

そんな中行われたタフな環境でのスプリントバトル。

先日降格処分を受けたばかりのヴィヴィアーニはこの日、寒さにやられたのか全くもってスプリントに参加することができなかった。

一方、最初に鋭い動きを見せたのはデマールのアシストであるヤコポ・グアルニエーリだった。強烈なリードアウトを見せたグアルニエーリだったが、肝心のエースが水たまりを踏んでしまったのか失速し、2人の間に隙間が生まれてしまった。

そこをかいくぐるようにして番手を上げたガビリア。そこに喰らいつこうとするアッカーマン。

先行したのはガビリアだった。しかし、アッカーマンは冷静にその背後につけ、ラスト75mでしっかりとこれを差し切った。

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第3ステージでは早すぎる駆け出しによって失速し、全く歯が立たなかったアッカーマン。今回はそれを省みて、冷静に落ち着いたスプリントを見せてくれた。

そして、この大雨の中でも全く衰えないパワー。今年のジロの「風」は、間違いなくこの男の方に向かって吹き付けているようだ。

 

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第6ステージ カッシノ〜サン・ジョヴァンニ・ロトンド 238㎞(丘陵)

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「マリア・ローザをこの日脱いでしまってもいい」という宣言の通り、プリモシュ・ログリッチェと彼のチームはこの日、徹底的に足を使わない作戦に出た。

チームのメンバーも非常に若い選手が多く、あまりにも早い段階でアシストのために力を使わせるわけにはいかないユンボ・ヴィズマ。しかし他チームも、できるだけ彼らに仕事を押し付けようとする。

結果、ペースを上げようとしないユンボの先頭牽引と、それでも前を牽こうとしないライバルチームたちとの意志の結果、13名の大逃げ集団は、最終的には最大で7分ものタイム差をつけてゴールに飛び込むこととなった。

 

その逃げ集団の中でも、最後の2級山岳で抜け出したのがマスナダとコンティ。

とくにコンティは1分59秒遅れでしかない。このままならマリア・ローザを手に入れることは確実。そして彼にとって初となるジロ勝利を目指し、マスナダもきっちりとライバルを牽引しながらゴールに向かって突き進んでいった。

最後のスプリントでは、コンティもそこそこの加速を見せるが、ゴールを前にして失速。

マスナダは一時的な盟友とあった男の心意気を受けながら、今年初のイタリア人ジロ勝利者という最高の栄誉を手に入れた。

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昨年のジロでも積極的に逃げを打っていたマスナダ。

今年のツアー・オブ・アルプスではそのアグレッシブさの賜物として、ステージ2勝と総合5位を手に入れている。今、急成長中の若手ライダーの1人だ。

アンドローニとの契約は今年まで。もしかしたらすでにいくつかのワールドツアーチームとの話が進んでいて、ツールが始まる頃には、ある程度確定的な話が表に出てくるかもしれない。

 

 

そして、見事にマリア・ローザを手に入れたヴァレリオ・コンティ。

先日のツアー・オブ・ターキーではグロスチャートナーとの熾烈な争いを繰り広げ、惜しくも総合2位で終わった男。

2年前のジロでも最終盤まで逃げ続けていたものの、最後の登りカーブで転倒してしまい、千載一遇のチャンスを逃す悔しい思いを経験している男だ。

 

そんな彼が、勝利でこそないが、まさかのマリア・ローザ獲得。

最後までこれを着続けられるとは思えない。それでも、せめて第2週の終盤の山岳ステージまでは着続けたい。

コンティによる新たな闘いの日々が始まる。

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第7ステージ ヴァスト〜ラクイラ 185㎞(丘陵)

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前日に引き続き、終盤のアップダウンが激しい逃げ切り向きステージ。

序盤から激しいアタック合戦が繰り広げられ、最初の1時間の平均速度は55km/h近くに達したという。

大雨の第5ステージとはまた違った苦しい1日となった。

 

最終的に12名の逃げが形成されるも、総合リーダーを守りたいUAEチームエミレーツや、これ以上のタイム差を広げさせたくない総合優勝候補のチームなどがしっかりと牽引。

残り10kmで先頭9名——ガロパン、カッタネオ、ビルバオ、アンドレ・ツェイツ、フォルモロ、ジェイ・マッカーシー、ハミルトン、ロハス、ペドレロ——とのタイム差をは1分。このあとに登りが控えていることも考えると、逃げ切りには厳しい展開となっていた。

登りでツェイツ、マッカーシー、ペドレロといった各チームのアシストが脱落し、エース同士の対決となる。一度遅れかけたロハスが追い付きざまにアタックを仕掛け独走を開始するも、残り1.5kmの登りで捕まる。

この瞬間、カウンターでビルバオがアタック。

最大勾配11%の強烈な登りを懸命に逃げ続けるビルバオ。昨年総合6位。期待されながら単独エースとして臨んだツアー・オブ・アルプスでは思うような走りができずに総合27位。

才能がありながらも、アシストとしては最高の働きを続けながらも、なかなか光を当てられずにいた男が、ついにこの大舞台でグランツール初勝利を手に入れた。

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小集団での逃げ切りでは、とにかくアタックのタイミングが命。

厳しい登りの直前で、一度抜け出た強烈な独走を捕まえた瞬間という最高のタイミングを選び取ったビルバオの勝負強さは本物だった。

そして何よりも、最後まで逃げ続けたその足の強さも。

 

今年のアスタナの勢いを象徴するような勝利だった。

ツェイツのアシストもまた、見事だった。

 

 

第8ステージ トルトレート・リド〜ペーザロ 239㎞(丘陵)

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大会最長ステージ。

熾烈なアタック合戦が繰り広げられた前日と違い、すんなりと決まった逃げは2人だけ。

今大会最も積極的に逃げに乗り続けているダミアーノ・チーマ(NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネ)とマルコ・フラッポルティ(アンドローニジョカトリ・シデルメク)の2人だ。

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よってプロトンも随分とゆったりとしたペースで走ることができて、長さを除けば選手たちにとって苦しい場面の少ないステージとなった。

 

200km以上逃げた2人も残り30kmを目前にして共に捕まる。いよいよ始まるペーザロの丘陵地帯。

残り25km。山岳ポイントを前にして、1つになったメイン集団からルイス・フェルファーク(サンウェブ)と山岳賞ジャージを着るジュリオ・チッコーネ(トレック・セガフレード)、そしてフランソワ・ビダール(AG2Rラモンディアル)の3名が抜け出した。

テクニカルな下りで集団のペースも下がったのか、最大で50秒近くタイム差をつけた3名だったが、この逃げも残り6.5kmで捕まり、いよいよ集団スプリントへ。

 

今大会最強のアッカーマンが急成長中のリュディガー・ゼーリッヒに牽かれながらラスト200mでスプリント開始。その背中にユアン、そのさらに後ろにヴィヴィアーニが続く。

アッカーマンが発射された直後にユアンがその背中から抜け出してスプリント開始。

バイクを左右に振りながらガンガン加速していくポケット・ロケットは、アッカーマンを追い抜き、そして張り付いていたヴィヴィアーニにまったく身動きを取らせることなく、そのまま先頭でゴールラインを突き抜けていった。

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圧倒的なパワーによる、真正面からの大勝利。

今年間違いなく強さを見せつけていた男が、それなのになかなか勝てなかった男が、ついに結果を残すことに成功した。

 

 

第9ステージ リッチョーレ~サンマリノ 34.7㎞(個人TT)

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長めの距離。山岳といってもよい後半の登り。

そして降り注ぐ激しい雨。

厳しいコンディションの中で行われた、正真正銘オールラウンダーのためのTTとなった2019ジロ第1週最終ステージで、ログリッチェが今大会最強であることを明確に証明した。

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前半の平坦区間最速はカンペナールツだった。この部分だけなら、ログリッチェよりも51秒も速かった。

しかし登りに入る直前にチェーントラブルに見舞われ、ノーマルバイクに交換。

そこからも素晴らしいタイムを記録して3位以下に圧倒的な差をつけることに成功したが、登坂区間でのタイムは全体の14位。ログリッチェからは1分2秒も遅れることとなった。

 

カンペナールツにとっては悔しい結果。しかし、アワーレコード記録更新者の実力の高さを見せつけられた。今年はもしかしたら、世界王者にも手が届くかもしれない。

 

この2名以外で素晴らしい走りを見せたのが、3位に入ったモレマと4位に入ったニバリだった。

とくにモレマは平坦区間でこそログリッチェから1分35秒も遅い結果だったものの、登り区間だけならば16秒差でしかない。

過去、ツール・ド・フランスで総合7位に入った2015年や、ツール第18ステージまでは総合2位を維持し続けていた2016年のときなどはTTも強かった彼が、その後しばらくはうまく結果を出せない時期が続きながらも、今、再びそのコンディションが完璧な状態でジロを迎えられているのかもしれない。

 

逆に大きく失速してしまったのがランダ(+3:03)、イェーツ(+3:11)、ロペス(+3:45)の3名。彼らがTTが苦手ということはわかってはいたものの、そんな彼らでもタイムを落としにくいクライマー向けのレイアウトだったにも関わらず、これまでのグランツールでTTが苦手な選手でも失ったことの内容な規模のタイムを失った3名。

彼らのジロは、この時点で終わりを迎えてしまうのか?

 

そして、10名もの選手をごぼう抜きして総合順位を一気に押し上げたログリッチェに対し、なんとか1分50秒差で総合首位の座をギリギリで守ったコンティ。

1週目をマリア・ローザを着て終えることのできた彼が、そのジャージをどこまで守り抜くことができるか。

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第1週終了時点での総合成績

 

 

激動の第2週が始まる。

 

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