りんぐすらいど

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獲得UCIポイントで見る 2019北のクラシック 全ワールドツアーチームランキング(後編)

前編に続き、今年の「北のクラシック」での全ワールドツアーチームの成績を、「獲得UCIポイント」に基づいてランキング。

今回はワースト9チームを順に紹介。

今年の北のクラシックで「大爆死」してしまったチームとは果たして・・・? 

 

対象6レース

  1. オンループ・ヘットニュースブラッド(3/2)
  2. E3・ビンクバンククラシック(3/29)
  3. ヘント~ウェヴェルヘム(3/31)
  4. ドワーズ・ドール・フラーンデレン(4/3)
  5. ロンド・ファン・フラーンデレン(4/7)
  6. パリ~ルーベ(4/14)

※18あるワールドツアーチーム全てが出場している「北のクラシック(石畳クラシック)」レースを抜粋した。

 

では早速見ていこう。

 

 

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第10位 トレック・セガフレード 615pt.

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期待度に対する失望という点では、全チーム中1位かもしれない。ストゥイヴェン、エドワードのトゥーンス、かつてはカンチェラーラの後継者的な言われ方をすることもあった彼らだが、結果としてこの位置。

クラシックに限らずチーム全体がそういった中途半端さに覆われているような印象がある。良いオールラウンダーも、クライマーも、パンチャーも、クラシックライダーもいるけれど、勝ちはそれなりに拾ってくるけれど、平均以上に突き抜けられない感じ。来年ニバリが入ってきても変わらない気のするこの感じを、打破することはできるか。

 

 

第11位 バーレーン・メリダ 539pt.

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モホリッチは本当に多才な選手だ。エネコ・ツアー覇者であれば当然かもしれないが、アルデンヌ向きかと思える脚質からの、北のクラシックへも適性を見せる。今後もこのチームのクラシックはモホリッチを中心に動くことになるだろう。ここは元よりあまり北のクラシックには力を入れていないチームだとは思うので、そんな感じでも良いとは思う。

個人的に気になるのはガルシアの存在。山岳エスケーパーであり、登りもいけるスプリンターでもある彼は、昨年のパリ〜ニースでやや片鱗を見せていた石畳への適性を今年、確実に見せつけた。どちらかというとレース途中での積極的な動きで目立った印象なので、リザルトではそこまで残ってはいないが、本格的に伸ばそうとすれば、いつかルーベを取ってもおかしくはない。

北クラを制するスペイン人。ぜひ、見てみたいものだ。
 

 

第12位 ミッチェルトン・スコット 411pt.

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今年のオーストラリア選手権個人TTを制したとき、ダーブリッジは自分はあくまでもクラシックを主目標に置いていて冬季トレーニングをしていて、TTを勝てたのは幸運だったと言っていた。そんな思いを持っていた彼が、まさかのフランドルウィークの入り口で落車、鎖骨骨折・・・。

彼さえ万全ならば、もっと結果を出せていたのは間違いない。逆に彼もいなくて、クークレールも去ってしまったこのチームは、今年の北のクラシックは大失敗だったと言わざるを得ない。トレンティンがいくら才能に溢れていても、彼だけではどうしようもない。

いまや男女ともにトップチームの1つであること間違いなしなこのチームだが、北のクラシックというのは数少ない弱点の一つだと言えるだろう。大きな結果を出す可能性があるだけに、切り捨てるのももったいない。来年の補強の仕方が気になる。
 

 

第13位 モビスター・チーム 402pt. 

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どんなにアラフィリップがすごくても、やっぱり現時点ではバルベルデの特異さがよくわかる図表。そもそもグランツール表彰台狙える状態でこれだから、やっぱり唯一無二の怪物である。

このチームも決して北のクラシックに重点を置いているチームではないため、ポイントを稼げていなくても特に問題はないが、その中でズッタリンの成長は嬉しい要素。そういえばポリッツも若きドイツ人。2人がタッグを組んで結果を出すところもちょっと見てみたい。

 

 

第14位 チーム・サンウェブ 388pt.

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ここもアルデンヌ寄りのチームだし、マシューズが出場したオンループとロンドできっちりと結果を出しているだけ問題はない。やっぱりマシューズ、強いよねぇ。調子が悪いとか、そんな感じは全然ない。あとは今週末のリエージュで勝てれば文句なしなんだけど。

そんな中、ヒルシの活躍は嬉しい。彼もまたマシューズに似ているというか、アルデンヌやサンセバスティアン、イタリア秋のクラシック系に強そうな脚質にも思えるが、E3での走りは嬉しい誤算だ。クラーウアナスン、ボルと共に、小規模ながら北のクラシックでも数字を取れるメンツにはなれそうだ。 

 

 

第15位 チーム・スカイ 316pt. 

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今年のクウィアトコウスキーがアルデンヌに一点集中、という戦略もあって、実力の割には結果を出せなかったチーム。ファンバーレとか、今期頭はすごく活躍していたし、実際ロンドでも積極的な動きは見せていたけど、リザルトは出せなかったなぁ。ロウもドゥールも、もっともっと数字取れる選手。今年は失敗だったが、これからの可能性も残している。

少しずつ伸びつつある若手スプリンターたちがスプリンターズクラシックで成績を出す可能性もある。チーム力は随一。これからの伸びに期待。

 

 

第16位 アスタナ・プロチーム 308pt.

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いやー酷かった。一番が本来はアルデンヌ系で主要6レースには1つしか出場していないルツェンコなのだから分かりやすい。ドゥクーニンクと同じくらい勝ち星あげているからこそ、この惨状が際立ってしまう。

もちろん狙っていないのは分かるけど、その分をステージレースで稼いでいるからすごいんだけど、極端だなぁと思う。

 

 

第17位 グルパマFDJ 233pt.

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フランスチームの北のクラシックに興味ない方なので別にいいのだけど、デマールは期待されている割には結果がついてこないタイプ。ルーベを制する姿は想像できないなぁ。

その点、キュングが狙い通りの成績を出していて、移籍市場での動き方が成功した印象。キュングで抜け出しつつ後方集団にはデマールが待機、みたいなコンビネーションでいければヘントとかも狙えそうな気はするんだけどなぁ。

 

 

第18位 チーム・ディメンションデータ 70pt. 

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まさに大惨事。全員でこのポイントはひどい。しかもポイント取れたのは4人だけ。これでほかのタイプのレースでポイント稼げていれば良いのだけどそうでもないから本当に危機的である。たしかに大型補強はアルデンヌ寄りだったけれど、それでもヴァルグレンは昨年北のクラシックでも勝ってたわけだし、そもそもアルデンヌでも結果出てないし・・・。

あとはフェルモート。クラシックエースの座を目指してドゥクーニンクを飛び出したはずの彼が、残念な結果に。彼だけのせいではないとはいえ、せっかくだから彼には、チームを引っ張る活躍を見せてほしかった。このままエースとして輝くことなくキャリアを重ねていくのは悲しい。

 

 

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